アラサーの俺が20歳位の頃の話
ある夏の夜中、寝苦しくてすんげぇ汗かいてたのね。
気持ち悪くてシャワーでも浴びようかってんで風呂に行った。
スッキリした所で缶ジュース持ってベランダ行って飲んでたんだ。
とりあえずタバコふかしながら家の前眺めてた。
ボーっと眺めてたんだよ。
電信柱の街灯が道路を照らしてて、そこに視線が行った。
俺の車その下に停めてるからちょっと気になったんだろうな。
よく見ると車の横、俺から見て奥の方に誰か居る。
こんな時間だし見間違いだろうと思いながら凝視するんだけどやっぱり居る。
その時は特に怖くなくてさ、こんな時間に何やってんだろうって。
そん位しか思わなかった。
時間が経てばどっか行くだろうって思ってほっといた。
そんで部屋戻ってベッドへ、やっぱ寝苦しくて気持ち悪い。
もぞもぞしてたら下の部屋で物音がする
誰か起きたのかな?
ジュース飲んでもまた喉が渇いたんで麦茶でも飲もうと思って下降りたんだよ。
台所に親父が居た。
普通にビール飲んでた。
親父も寝苦しかったらしくベランダで飲まないかと誘われた。
俺は言われるがままにホイホイついて行ったよ。
たまには親父と夜中ベランダで酒飲むってのもいいもんだろうとか思ったんだろうな。
とりあえずベランダ出てイスに座って割と小さい声で談笑してたんだけどさ。
親父が言うのね「あそこ誰か居ない?」って。
俺はまさかさっきの人じゃないだろうと思って見てみたんだ。
俺の車の奥、多分さっきの人であろう人物・・・ってか人影がある。
「あの人。。。。さっきからずっとあそこに居るよ。」
って俺が言うと親父は
「ちょっと不審人物かもしれないから行ってくる。お前あの人から目ぇ離すなよ」
そう言うと親父は玄関に直行、俺はずっと目を離さず車の奥の人影に集中してた。
親父が玄関の外に出た音が聞こえた。
すぐに車の方へ駆け寄ってる音、俺はその時も目を離さなかったんだけど親父は車の奥の方へ行くと「あれ?あれ?」とか言ってるの。
人影の真横できょろきょろしてるのね。
親父には見えてない様子でさ、俺怖くなって・・・・「親父!そこに居るよ!」って声出そうと思っても出せないんだよ。
固まってんの俺、恐怖で固まってるわけでもないんだよ、ただ声が出なくて体がこわばってる感じ。
すぐに親父が部屋に戻ってくる音が聞こえた。
その間も俺ずっと凝視してんのその人影を。
親父が部屋に入って来た音で俺やっと後ろ振り返れたのね。
「あいつどこ行ったんだろうなぁ~」
って言ってる親父の後ろ、帽子被ったおっさんが立ってた。
怖くて目を背けた。
もっかい親父の方見たらもう誰も居なかった。
親父は終止???顔してたわ。
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