社のお供え物

京都での話しなら俺もひとつ

5年前まで京都に住んでてな。
俺は大学生で、コンビニでアルバイトしてた。

そんで、俺の通ってた大学ってのがまた田舎っていうか山の中に校舎あるのよ。
敷地内にリアルに‘猪注意!!’なんて看板あるわけww
ぶちゃけ↑で大学、特定されそうなんだが。

まぁ、そんな大学に歩いて5分弱の所に住んでた。
こんな所だから、街灯なんてほとんどないのよ。
マジで真っ暗 。
当時は「流石は京都!風情があるぜ!」とか思ってたw

いい加減、貯金尽きて二回生の春くらいからコンビニの深夜勤始めた。
廃棄の量にビビッたね。
一ヶ月くらい務めてからもう本当に面倒くさくなってね。
コンビニ行く道を探索しまくった。
バイトがメンドい→探索になった理由は俺に聞くな。
そんなこんなで、探索中に何か社?みたいな?そんなんがある道を見つけた。

もう本当にボロボロ。
あちこち傷ついてるし、社にある御神体っていうの?
が、近所の馬鹿ガキのせいか原形ない、ただの石になってた。
まぁある意味、原形だな。
イメージ的に言うなら夏目友人帳の露神さまみたいなの。

凄く可哀想だと思った。
つーか不憫に感じてな。
大学の専攻が歴史ってのもあったし、宗教学の講義も習ってたから(習ってたくせに?付けまくってすまん。 不真面目な学生でした)

山の社なんて時代違えば、結構な信仰の対象だろ?
それで、どーせ廃棄捨てるんだったら、ここに御備えすればいくない? って発想になった。
ちなみに御備えものは饅頭とか団子。

そこから俺の日課は
大学終わる→寝る→22時からバイト→4時終了→御備え→寝る→大学
になった。

不思議なことに御備えものは次の日にはなくなってた。
まぁ今考えると不思議なだけで、当時は「よしよし、いい食いっぷりだ」とか特に深く考えず思ってた。

そんな日を続けて、コンビニの制服が半袖から長袖になったくらいだと思うんだけど、明らか未成年の襟足の長さが戦闘能力の高さと勘違いしてる金髪DQNがタバコ買いに来て、テンプレ通りに断ったら、俺のチャリをパンクさせやがった。
悪いとは思ったけどあまりにイラついたんで歩きタバコしながら帰った。

社の前に通りかかってもタバコくわえてて、いつも通り御備えしてたらタバコ煙かったのか「コンッ!」って声ってか音が聞こえてな。
聞き間違えと思いつつも、試しにフーって吐いたらまた聞こえたw
恐怖心とかは全然なかった。
言うまでもなく、俺の日課はひとつ増えたw

飽き性で、長続きしない俺が唯一、卒業でバイト辞めるまで自発的に続けられてたのがこの御備えものだった
コンビニを辞める最終日にいつも3時くらいにワンカップ買って帰るお爺さんに「○○道の少し外れにある社ってなにを祀ってるかご存知ですか?」って聞いてみたら「知っとるよ。狐さまが祀られとる。」

詳しく聞くとやっぱり、昔は多くはなかったけど拝みに来てる人がいたらしい。
今では亡くなったり、入院してたり、遠くに行っちゃったりでほとんどいないということだ。
(爺さんが、儂も腰が云々ほざいたから、深夜に酒買いにくる人が何をw と突っ込んどいた)

最後の御備えの時。
まぁ、最後ってんで、きちんとかがんで頭下げて手を合わせた。
その最中、何か気配を感じて薄目開けたら黄色くて先が白い尻尾が見えた。
瞬きしたら消えたんだけどね。

こんな感じw 
怖くなくてごめんねw

大学の講義のことなんざかけらも覚えちゃねーけど。
このことに関してはなんでか鮮明に覚えてんだよね。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?277

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