船にまつわる地区の民話 江戸時代の話
昔から船は高価な財産だった。
漁師は大切に管理して修繕をしてた。
盗まれようなら大変で、付近の村や隣国にも回状が廻って探しまわったそうだ。
勿論捕まった犯人は大変な目にあったという。
不用意に船に近づいた旅人が間違われて殴られたと訴え出ても、旅人が悪いと一蹴される事もあったとか。
ある日遺棄されていた朽ち舟が見えなくなった。
沈んだ様子もなかったので、波にでも浚われたかという話になってたそうだ。
半月ほど経って舟が戻ってきてた。
見ると素人がやったような修繕がされていたという。
届け出ると役人が大慌てで飛んできた。遠く離れた城からも役人が来た。
付近の村も調査されたけど、誰も誰の仕業か知らなかったし、怪しい人もいなかったらしい。
やがて舟は下げ渡されたが、村では気味悪がって寺に奉納した。
寺では役人に許可を取って法要して燃やしたそうだ。
寺は今神社になってる。
船に使われてたって板切れが一枚残ってるそうだよ。
海にまつわる怖い話・不思議な話20