私が体験した、というよりは母親が体験したこと。
そのとき母は四ヶ月目に切迫流産を起こし、母体ともかく子供が危険な状態で一月入院したらしい。
その前に一人流産してる母は、この子もそうなるのでは、と怖がっていた。
そしたら、どこのお見舞いか分からない男の子が「大丈夫だよ」って言ってくれたんだって。
「その子は強いから大丈夫だよ」って。
無事に生まれてきた私は、多少小さいとはいえ、元気に育った。
口も聞けるようになった頃、私は母にこういったらしい。
「にーにぃがね、よしよししてくれたから、くらいくらーいこわくなかったー。」
母は直感的に、あの少年こそ前に流産した子じゃないか、と思ったらしい。
ぼろぼろ私を抱いて泣いていると、私がこう言ったそうだ。
「だから、おとこのこもくらいくらーいへいきよ?おねーちゃんがいるもん。」
男の子?どこに?と聞くと
「おなかからどくんどくんがもういっこきこえるの。おとこのこだよ。」
妊娠の症状も無いまま病院にいくと、2ヶ月目だと告げられたらしい。
弟はアトピーやら喘息やらで小さい頃は大変だったけど、今じゃ立派なVIPPERだ。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 37