陸橋の上を歩いているときだった、がしっと後ろから腕を捕まえられた。
ビックリして振り向くと50歳ほどのスーツ姿の見知らぬおじさんが。
「みーつけた」
昼間で回りに人はいたが死ぬほど怖かった、ちなみに補導されるような歳ではない。
はぁはぁ言いながら必死の形相。振り払おうにもほどけない程しっかり腕を握られていた。
「間に合ったのかな…?ギリギリだと思うのだけれど」
おじさんの言葉がまったく解らず私はただ怖くて声が出なかった。
おじさんの握力が弱まった瞬間私は逃げました。
追ってくるのか?と振り返ったがおじさんは私に手を振って「次がんばってねー」と大きな声で言っていた。
わけが解らないがとにかく遠くまで逃げようと走っていると「きゃーーーーー」と後ろから悲鳴が聞こえた。
振り返るとおじさんの姿が無い、横で男の人が飛び降りる瞬間を見てしまったと女子高生が騒いでいる。
ただ、ただ怖くてその場から逃げた新聞やニュースは何故か怖くて見れなかった。
おじさんは間に合わなかったのか?
次は私?
誰を探せばいいのだ?
あれから2年が経ちましたが時々ふと思い出し不安にかられます。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 37