20年位前の何かの番組(怪奇特集だったか)で、山間に住む農家のおじさんが不思議な体験して取材されてた。
■以下おじさんの話(かなり訛ってたが意訳)■
夜中に飼ってる犬がやかましく吠えるんで、窓をみると向かいの山の方がうっすら明るく見えた。
カーテンを開けて外を見たら、山の中腹辺りに火が見えた。
山火事だと思い、慌てて家族を起こしたが、どうも様子がおかしい。
山の中腹には同じ様な火が数カ所点々と並んでいて、火一つ一つの大きさは、距離から考えると3~5mはある。
燃え広がる様子も無いし、誰かがこんな夜中に山奥で松明を焚いてるんだろうか。
これはひょっとして狐火というものだろうか。
犬もうるさく吠え続けているし、「これは何かあるな」と思い、解き放ってやると、犬は一目散に山へ向かって走って行った。
時折吠え声がワンワン聞こえるので、犬がどの辺まで行ったか大体分かる。
ややしばらくして、火の一つに辿り着いたらしい犬が、狂った様に吠え立てると、中腹に連なる火がパッと一斉に消え、山は静まり返った。
明くる日、火が燃えていたとおぼしき辺りに行ってみたが、何の痕跡も発見できなかった。
犬はそれっきり帰って来ない。どこかに連れて行かれてしまったんだろう。
けしかけてしまい、可哀想な事をした。
山にまつわる怖い話34