猪用の畑

うちのじーちゃんばーちゃんの話。

じーちゃんばーちゃんは農家。畑は山の中にある。
昔、二人で山を開墾(?)して作ったとかいう畑で、主にサツマイモを植えている。
山には猪がいて、よくサツマイモを掘り返して食ってしまう。で、収穫に結構な被害が出ていたらしい。

困った二人は、畑の隅を耕してそこにも芋を植え、山の中に向かって
「食うならこっちを食ってくれ。他は人間用だから」
と呼び掛けたらしい。

そして収穫の時期になると、猪に作った畑の芋だけが食われていて、人間用の畑の芋は全て無事。
じーちゃんは関心して、以来商品にならないくず芋もそこに置いて帰ってるそうだ。

じーちゃん曰く「奴らなかなか話がわかるぞ」とのこと。

山にまつわる怖い話35

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