昨日の話しなんだけどさ。夜やけに寝つけなくて、ずっと半意識状態で布団に入ってたんだわ。
もう3時くらいになってたかな。明日も早いし寝なきゃって思ってたんだけど、寝なきゃと思えば思うほど余計に寝れなくなってた。
そんなとき、俺は突然部屋のどこかからへんな音が聴こえることに気付いた。 なんか、衣服と衣服(布地と布地?)が擦れ合ってるようなゴソゴソした音。
しばらくして気付いたんだが、それがなんか一昨年親父がどっかからもらってきた洋服ダンス(超でかい)の中から聴こえるんだよね。
そんな時だから気付いたけど、その洋服ダンス古くてすごい不気味なんだ。
最近ほんこわ見たばっかだったからビビりな俺はすごい震えて、中から誰も出てきませんよーに!と必死で祈った。どうか、中からゴソゴソ聴こえるのは中にペットのリリー(猫)がいるからですよーに!とかも祈った。
そしたら、俺の祈りも虚しくキィ--ッと開いちゃったのよ。タンスがね。
ああ、怖い。助けてって思いながらも俺、正体が知りたくて開いたタンスを見てみた。
すると、中から不気味な人影がスッと出てきた。
それは、ウェディングドレス姿の女だった。
ビビって声も出ない俺。ドレスの女は顔は見えないが頭をブンブン振ってて、気狂いじみてた。
超怖かったけど、俺は慌てて布団に潜った。
ドレス女だと思われるガサガサという音が俺のすぐ近くまで来ては、また遠ざかり…それを繰り返した。
それからしばらくたってから音も消え朝日も出だした頃、俺は勇気を出して布団から出た。
ウェディングドレス女は消えていたが、タンスは開いたままだった。
俺は起きてすぐに親父のところへ行って、昨夜の話しをしようとした。
そしたら、早朝なのに親父はもう起きていて、俺が何か話す前に親父の方が先に口を開いたんだ。
「昨日、お前が殺される夢を見た」
心臓が止まるくらいビックリする俺。親父はよく見たら冷や汗をかいていた。もしかして…と思いながらも俺は恐る恐る訊ねた。
「誰に?」
そしたら親父は、言いづらそうに目を細めて言った。
「ウェディングドレスを着た女に」
……たった今、俺と親父はあのタンスを処分してきた。くれた人が、要らなけばそっちで棄ててと言っていたからだ。
俺は今日一人ではどうしても寝つけそうにないので、恥ずかしながら親父の部屋で寝ようと思う。
タンスを棄てて一件落着ならいいんだけど、ひとつ気になることがある。それは、あのウェディングドレス女がタンスから出たっきりタンスに戻ってるとこを見てない…ということ。潜ってたからわからなかったかもだけど。
まだ部屋にいたらどうしよう?
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?206
コメント
この話何年も探しててやっと見つけた