私がまだ小学校中学年くらいの頃のことでした。
私の親は麻雀が好きで、週末になれば近所のどこかの家に集まり、大麻雀大会が行われていました。
その家々には同年ぐらいの子供たちがいたので、親についていき、その家で夜遅くまで遊ぶのが楽しみでした。
その日も、いつものように親と一緒に近所の家に遊びに行きました。
その家は、以前は下宿生を受け入れていたことがあったので、部屋の数が家族の人数よりもかなり多く、ある一室が物置として使われていました。
そこには、タンスや使われなくなった二段ベット、オルガン、洋服が山積みになっており、子供たちには遊べる場所に適任でした。
家のうらはある施設の敷地と公園になっており、窓から差し込む街頭で部屋の中はうっすらと明るくなっていました。
子供とは不思議な発想をするもので、そのまま電気をつけずにかくれんぼをすることにしました。
隠れてみつかって、鬼をやって皆をみつけて、また隠れて。
なんどかやっていた時のこと。
私はどこに隠れようか悩んでいると、二段ベットが目につきました。
『単純に上の段に隠れてもすぐに見つかる』
そう思い、下の段の更に下。床とベッドの間にもぐり込むことにしました。
足からズルズルと入っていき、あとは頭だけという状態になった時、上の段に隠れる人がいるのに気がつきました。
ちょうど、足がひっこむところ。
『あら、隠れ場所がかぶっちゃった。』
今更場所を変えるのも面倒なので、そのままそこにいることにしました。
「も~い~よ~。」
鬼がやってきて、一人づつみつけていきました。
私も見つかり、鬼がみんなを探す様子を見ていました。
『上の段には誰が隠れたんだろう?まだ見つかっていないなぁ。』
そして鬼が
「これで全員みつけたね」
と言うので、私は
「え?もう一人いるよ。」
と言うと
「みんないるよ~。」
っと言って鬼がみんなの名前を言い始めました。
「え?だって、上の段に隠れる人見たもん。
白い靴下履いている足がさぁ、入っていった・・・・」
ふと全員がみんなの足元を見ました。
そこにいた全員が裸足でした。
その家は、十数年後に建て直しをされ、あの部屋はなくなってしまいました。
思い出してみれば、あの足は明らかに子供ではなく、大人の男の人の足でした。
いったいなぜ、あの時に現れたのか・・・
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?195