今は貧乏な家なんだけど十数年前までは、ちょっとお金持ちな家だった。
夏休みは海外で過ごす、みたいな感じ。
ある年も、例によって海外で過ごしていた。
帰宅して、数日経って滞在中に撮った写真が現像されてきて家族で見ていたんだけど、その中に1枚だけ変な写真があった。
自分のへそ~膝上あたりまで、すっぱり消えてる。
動いてるからかな?と思ったけど、それなら膝下も消えてないと、おかしい。
まぁ、昔から自分の写真に結構有りがちな事だったから、その時は、特に気にも止めずにいた。
で、話がゴジャゴジャするけど時々家の前の道を歩いてると「パタパタ」って、誰かが後ろから走って付いてくる音がする、後ろを見ても誰もいない、みたいな事があったりした。
それも、恐いのは最初のうちだけで段々と慣れてきて「パタパタ」って音がしても「ああ、またか。」位にしか思わなくなっていた。
で、去年の夏に当たると評判の占い師(霊能者)に写真・夜中の音について、見てもらう機会があった。
その占い師さんが言うには
「この写真の子は、貴方に何かを伝えたがっている。 それで、毎晩家まで学校?みたいな所から走って貴方の家まで来て、じっと貴方の家を外から見ている。海外にまで、憑いていく程の強い思いを伝えたがっている。今でも、毎晩、毎晩、貴方の家まで行っている。恐らく、夜にする音もその子の足音。」
との事だった。
さすがに、なんだか恐くてお清めしてもらった。
その後、家に帰ってからボーっとしていると、窓の外から足音がした。もしかしたら、本当の人間のものかもしれない。
けど、窓を開けても誰もいない。
ただ、足音だけが「パタパタ」と家の前を往復している。
その音を聞いてると何故だか申し訳なく思った。
何んで分からなかったんだって。
何十年も家に来て、時々真後ろにいた、ってのは恐いけど、なんとなく幽霊の癖に健気な感じがして憎めない奴。
占い師のお陰か、今は全然パタパタ音しなくなった。
ほんの少しだけ、寂しい
ほんのりと怖い話22