叔父がぎっくり腰になったてんでペットの散歩を頼まれた。
ラッキー(2歳♀)と近場の山道をぶらぶらと歩いていると、突然座り込んだ。
引っ張っても立ち上がらないし、なんだろうと思ってると破水した。
まだ予定までは2か月もあるから、やばいと思ってるうちに頭が見えてきた。
しかたがないんで子供の足持って引っ張った。
早かったせいか、やっぱり子供はかなり小さかった。
こんなところで産まれても困るから、応援を呼ぼうと携帯を取り出すと、産まれた子供が立ちあがってこちらに近づいてきた。
早産の未熟児が生まれてすぐに立ち上がってこちらに近づいてくるのに驚いていると、子供は一声「雨」と鳴いた。
聞き間違えかもしれないけど確かに「雨」と鳴いた。
それだけ鳴くと子供はラッキーの元へ戻って行って、座り込んだ。
応援がくるころには子供は死んでいた。
そして腰の抜けたラッキーをジョブで、子どもの死体を軽トラの荷台に乗せて運ぶ途中に雨が降り出した。
なんとなく不思議な体験だった。
山にまつわる怖い話43
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「件」ならぬ「伏」?