群馬県の桐生市に桐生川(←通称?)って川がある。
小学生のころ学童保育に通ってた自分も、夏になると他の子たちと一緒に保育所の先生が運転するワゴンに乗ってよく泳ぎにいってた。
いつも廃校になった校舎のような所に車を停め、少し離れた滝壺まで歩いていく。
滝壺の下手には中洲のような場所があって、そこに火を焚いて唇の色が戻るまで暖まっては泳いだり、3~4mくらいの岩から飛び込みをしたりしていた。
あるとき、オヤツにと見事な大玉西瓜を持っていき、川のなかに石で囲んで冷やしといたんだが、何かの弾みで西瓜が流されてしまった。
大騒ぎして皆で追い掛けると、すぐ下流の小さな淵へ転がり込んだ時に岩にあたって割れてしまった。
皆自然と『あ~ぁ』と諦めたような声を出したんだが、自分も含めてすぐにその声はぴたりととまった。
ぱっくりと割れた西瓜は、中身だけがきれいに刳り貫かれてなくなっていたから。
山にまつわる怖い話47