狸といえば
聞いた話だけど町内の子供会キャンプに付き添いで行った時、その人が山の川沿いを一人で散歩していると一匹の狸が木を見上げていたらしい。
狸はこちらに気付いていない様でその人は「おいでおいで」と狸に声を掛けてみたが、狸はその人に気付くと逃げて行った。
そのまま散歩を続けていると、後ろからカサッカサッと微かに何かが付いてくる音が聞こえたので振り返っても何もいない。
先ほどの狸が茂みに隠れているのだと思い再び「おいでおいで」と呼ぶが出てこない。
その後、狸かただの気のせいだと思っていたのだが、ずっと音は付いてくるので気味が悪くなり、長靴を履いていたその人は川の浅い所を横断した。
さすがにもう付いてこないかなと振り返ってみると、河原には自分の濡れた靴底の足跡とは別に、濡れた大人の裸足の足跡があったのだそうだ。
後日談
その話を聞いた時にその人は、いきなり声を掛けてびっくりした狸が腹いせに化かしたのかなと語ったが、一緒に聞いていた人は、狸が見上げていた木で自殺した人がおいでと呼ばれたので付いて来たんだなと言った。
何故かと聞くと自殺する時は靴を脱ぐからと言っていた。
そう考えると怖い
山にまつわる怖い話46