私がリアル厨房だった頃、恩師より聞いた話。
ある時の事。何かの調査で恩師は数人と連れ立ち、奥羽山脈の中でキャンプを張った。
一夜明けてみると、隣で寝ていた仲間が「なんだか顔がムズムズする!」と言い出した。
アリにでもたかられたかと見ると、確かに仲間の顔になにやらびっしりとくっついている。
よくよく見れば、「とても小さいカエルの群れ」が顔にたかっているのだ。
どれくらい小さいカエルだったかというと、「こりゃ珍しい! 新種かもしれないから持って帰ろう」という事で、「弁当についている魚型の醤油入れ」に何匹も詰め込んだ、というくらいだから押して知るべし。
残念ながら持って帰ることは出来なかったそうだ。
醤油入れに詰め込んで持ってきたはずのカエルは、ふもとで見てみればすべて溶けて無くなってしまっていたとの事。
骨まできれいに無くなっていたそうな。
すでに恩師も鬼籍に入って久しい。
今となっては確かめようも無い。
そういう話です。
山にまつわる怖い話49