ラーメン

小学校の冬休みの時のことだったと思う。
珍しく、僕は友人とスケートを滑りに行った。
その帰り道、時間は7時ぐらい、日もとっぷりと暮れ、僕の家までもう、4,5分というところで、友人が、ある小屋の中を覗いてみないか、と言い出した。

その小屋とは、駅前に、駅の乗降客目当てにお焼きを売っていたもので、その線が廃線となってからもしばらくは頑張っていたが、今は人気なく、何もない、ただ、道があるだけの四角にひっそりと立っていた。

疲れていたし、もう、遅かったけれども、家がもう近いこともあって、僕は同意した。

と言っても、中は物置くらいのスペースもなかった。
一応、二つにしきられていて、奥の材料やらなんやらを置くスペースと、手前の、おやきを焼いて、客に渡すスペース。
その、ぽっかりと四角く開いた開口部から、街頭の明かりが中を照らしていた。

と、その時、僕らはありえないものをそこに見た。
その開口部につけられた棚の上にあったのは、ラーメンだった。
オーソドックスな醤油味。麺はどこかの製麺所の縮れた黄色い色。
具は、メンマにホウレンソウ。チャーシューやゆで卵がのっていたかどうかは記憶にない。
それが、どこかの中華屋の丼に、ごく普通に収まっていた。
恐る恐る、小屋の中に吹き込んでいた雪で、雪だまを作って中に入れると、それは、ぽちゃんと、中に沈んだ。

僕らは一瞬固まってから、「うわー」とか叫びながら飛び出した。
有り得ないのだ。
小屋とは言っても、ぽっかり開いている開口部で、雨はしのげても、この寒さでは寝れば即凍死。誰かが住んでいるなどありえないのだ。
しかも、ラーメンは、湯気こそ立っていなかったが、凍ってもいなかった。
と言うことは、僕らが小屋に入る少し前にそこに置かれたことになる。

あれはなんだったのか?
その後、昼間とかに調査してみれば良かったのでしょうが、結構充実した小学校生活を送っていたのか、そのことはあっさりと忘れてしまいました。(最近思い出した)

65 : ID:sqIvBpuj0

>>63-64
北海道?

66 : ID:eYOjPfioP

>>65

正解です!!

不可解な体験、謎な話~enigma~ 68

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする