夜8時くらいになると
「お母さーん」
と、子供が呼んでる声が何度も聞こえる。
うるさいなと思って部屋の窓を開けて見ると、ちょっと離れた所にある坂道を子供が自転車を押して歩いているのが見えた。
早くお母さん行ってやれよと思ってまた部屋でくつろいでた。声もしなくなった。
しかし翌日、夜8時くらいになるとまた声が聞こえる。
そんな事が何日も続いた。
そしてある日、いつものように声が聞こえた。
「お母さーん、早くー」
「すぐ行くわよー」
返事があった。
その時母親と思われる人の声を初めて聞いた事に気がついた。
その2日後に隣の丁目の町内会館でお通夜が営まれた。
何でも子供が交通事故で亡くなったらしい。
その子の父親は少し前に妻を亡くしたばかりで、妻に続き子供までも無くしてしまった。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?131