天狗のお面

山形のお客さんから聞いた話

そのお客さんは山登り…本格的なものじゃなくて…が趣味なんだけど、山では何度か不思議なことに遭遇してるそうだ。

車で県外まで行って、初めての山に登った時のこと。
山の中腹ぐらいだったらしいんだけど、ふと山頂の方をみようと上を見上げた時に、一本の木に赤い色がへばりついてるのが見えた。

高さは約10m強ぐらい。
目をこらしてよく見ると、天狗のお面が一つ木に結わえつけてある。

「なんであんなところに??」

高い場所に結わえつけてある天狗のお面を見て、不思議に思いながらも、そのまま山頂まで登ってから、下山の途についたそうだ。

下山した後、山の近くの商店があったので、天狗のお面の事を聞いてみようと思って、車を止めて商店に立ち寄ったんだって。

商店の中に入ったんだけど、店内には人の姿はない。
「ごめんくださーい」って店の奥に声を掛けたら、「はい、は~い」ってお婆さんが奥から出てきた。

そのお婆さんに天狗のお面は話をしたら、首を傾げてお店の奥に引っ込んでしまった。
お客さんはお婆さんが出てくるのを待ったけど、待てど暮らせど声を掛けても出てくる気配はない。

結局諦めて商店を出て、帰宅の途についたそうだ。

山にまつわる怖い話57

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