廃墟の病院

これ、北海道でわりと有名な話し。

湧別にある廃墟の村、そこにまだある廃墟の病院。
その病院は他に何もない道路沿いの林の中に「ポツン」とある。

肝試しに行って最初に感じるのはその病院の立地条件の矛盾である。
先に述べたように、道路沿いと言っても林の中にその病院はあり、車では病院の前まで入る事はできない。
そう、林が切り開かれていないのである。

救急車が近寄る事も出来ない病院。

訪れれば分かるのだが
「この病院、どうやって建てたの?」そして「なんの為の病院だったの?」って話になる。

十数年前、俺の彼女の先輩にあたる人が、男女二人づつの四人(A男とA子、B男とB子)で肝試しにこの病院に訪れた。

手を繋ぎ二組のカップルで上の階から徘徊していた。
これといって特に何事もなく最後の地下の階へと四人は入っていった。

手を繋いだ二組のカップルで地下室を何部屋か徘徊してた時、B子が突然立ち止まり一言

B子「ねー‥、何があっても手を離さないよね?置いて行ったりしないよね?」
B男「ああ、大丈夫だよ。」
B子「・・・・・」
B男「どうした?」
B子「・・・誰かに足を掴まれて動けない」

その瞬間、それぞれの手を振りほどき、B子を置いていちもくさんに地下室を飛び出し、車へ三人で逃げてきてしまった。

この三人はビビりまくって一人のB子を置き去りのまま家へと帰ってしまう。

翌日の朝、A子は両親に昨夜の事を話した。

B子の両親、担任の先生、A男とB男を呼び出し、警察と一緒に昨夜の病院へと向かった。
病院に着き昨夜の出来事を説明しながら地下室へ行こうとするが、階段が見つからない。

そうなんです、この病院に地下室は始めから無かったのです。

このお話しは、B子の事実上の失踪事件として当時は新聞に載ったらしいです。

ほんのりと怖い話45

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