鍵の話

6年前の話になるが、今でも不思議な話。

私にはSという友人が居て、いつも一緒に行動していました。
その日もSと一緒に次の授業で使うPCの教室(飲食禁止)で昼食を取っていました。
今思えば学校の決まりはよく守るほうだった私たちが、なぜそこで昼食を取っていたのか不思議なんだが。。
教室にも廊下にも誰も居ませんでした。
廊下に面してる壁がガラス貼りだったから誰か居ればすぐにわかります。

くだらない話をしながらパンを食べていると、
Sが「友達から聞いたんだけど」とこんな話をはじめました。

↓以下、Sから聞いた話↓

市内で一人暮らしをしている友人がいるんだけどさ、その友達が家の鍵をなくしたの。
鍵には黄色い長いひもが付いていて、鞄をあければすぐに鍵の存在が確認できるようにしていたらしい。
もちろん家を出るときは鍵をかけているし、外出先で紛失するような思い当たる事もなかったけど新しく作るとお金がかかるし、引き返して片っ端から道を探したんだって。
でもどうしても見つからなくて、結局新しい鍵を作る事にしたの。
(その日はどうやって家に入ったのかは忘れた)

そのまま鍵の事は忘れて2年くらいたったんだけど、ある日帰宅するとドアのノブになにか引っかかってたんだって。
何かと思って見てみると…2年前に紛失した部屋の鍵だったんだって。
しかも黄色かったひもは緑に変色して、ドアノブにかけてあったんだって……

「うっわきめぇ…」と私。「怖いよねー」と二人ですくみ上がったのをよく覚えています。
ちなみにSは怖い話が大嫌い。この時はなんで自分から怖い話をしてきたのかは謎ですが、別に特に気にもしていませんでした。

数日後…
別の教室でSと他の友人達数人で話をしていました。
何かの拍子で私はこの前のSから聞いた鍵の話を思い出して、「この前Sの話怖かったよねー」とSに振ると、「え?何の話??」とS。
「ほらー、鍵の話だよ。鍵のひもが緑に変色して戻ってきたってやつ」
と身震いしながら皆に話しました。

するとSから衝撃の一言が………

「え……?その話してたのh(私)じゃん?」

はぁぁ?と思って、
私「何言ってんの?このまえPC1の教室で話してたじゃん。友達の話でって…」
S「だからそれhが話してたんでしょ?私そんな友達居ないもん」
私「うっそだー!!だって…」

となんと謎の現象が…。
その話をしていた日、時間帯、場所、その時に食べていたものを二人で確認しあいましたが全て一致。
ただ、話を聞いた相手だけお互いすれ違っているんです。

私は絶対Sから聞いたのでしつこくしつこくSを問い詰めましたが拉致があきません。
周りのみんなは( ゚д゚)ポカーン

そういえばSは怖い話が超嫌い。
自分からこんな話をするなんて信じられないんです。
でも私は話していないし、鍵をなくした友人なんていません。
そのうちSが、涙目になりながら
「わかった!私が話したから!その話はこれでヤメ!!!!もうその話しないで!!!!!(涙)」
と言ってその場は収まりましたが。
それ以来Sにその話をするのはタブーになりました。

二人とも一体誰からこの話を聞いたのか今でも謎です。

ほんのりと怖い話46

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