ボロボロの家

読んでて思い出したほんのりのはなし。
今から20年ほど前、当時小学生だった頃のこと。

いわゆる廃墟というか、人が住まなくなってから何年も放置されているボロボロの家が通学路にあった。
関係ないけど、ああいうところってなぜかエロ本が大量にあったりするじゃん。あれなんでだろうね。

その廃墟も、隠れエロ本捨て場的に近所のガキの間では有名だった。場所はトイレと風呂場の脱衣所。トイレなんて超山積み。
(黒ボンテージのおねえさんに興奮した小三の思い出www)

ある時、いつものように何人か連れ立っての帰宅途中に夕立にあたってしまって、雨宿りついでにそこで遊んでく事になった。
その時ひとりがとつぜん「今日は二階まで見てみようぜ」と言い出した。

その廃墟は今思うと結構いい造りをしていたと思うんだけど、白い壁の二階建、こじゃれた感じの階段があって、一部吹き抜けで二階の部屋のドアが玄関から見えるような感じの造り。
一階は玄関入ってすぐにリビングがあって、その奥にキッチン、キッチンのちょっと手前がフロとトイレ、その奥に一部屋、という造りだった。家具も一部置きっぱなし。

ちなみにトイレとフロ場の脱衣所がエロ本スペースね。だから基本的に一階以外に用は無い感じだった。
だから二階探索、というのは新しい感じがしてみんな即OK。ランドセル背負ったまま、珍しく玄関からすぐに二階への階段を上がった。

二階は2部屋らしく、ドアが二つ並んでいる。
どっちも閉まったまま。
取り合えず左のドアを俺と友達Aで開ける事に。

ドキドキしながら開けたら、まあ当然だろうけどカラッポ。
そこそこ広い部屋だったけど、家具もなんもなし。
ただ部屋の隅にはエロ本。ここにもエロ本。俺と友達、もう全てを忘れてエロ本へダッシュ。
ギャーギャー騒ぎながら物色していたら、隣の部屋を見ていた残りの友達が「うわー」みたいな声出して入ってきた。

どうしたと聞くと、「ヤバイ、まじヤバイ」と怯えてるだけ。
俺たちもエロ本どころではなくなって、再度みんなで隣の部屋を覗いてみると、そこは恐らく女の子の部屋だったんだろう、ベッドとか鏡台とかがそのまんまある、どことなく生活感の残る部屋だった。

そして人形やヌイグルミが大量にあった。
ベッドの上にはでっかいクマ。下にも沢山転がってんの。
でもヤバイのはそこじゃなくて、いくつか人形が上からつるされてんの。数は5~6体だったと思うんだけど、天井からビニールヒモみたいなやつで首吊ってる状態で吊るされてる。

みんな一瞬無言になり、そっからは叫びながら我先にと階下へ猛ダッシュした。
一階へ戻ると「今のなんだったんだ?」「あれはやばいんじゃない?」とか騒いでいた。
外はまだ大雨。
二階は怖いけど、外へ飛び出るという行動には繋がらなかった。

その時だった。
一階リビングの辺りから突然物音。
人の声というか、明らかに家族が談笑しているような声が聞こえてきた。
無いはずのテレビの音まで聞こえてくる。

もう無理だった。
雨とかどうでもよくなって、俺らは一塊になって外へ飛び出した。
・・・ら、今の今まで窓からは大雨が見えていたのに、晴れてんの。
今しがた止んだというんじゃない、大分前には上がっているような状態で、夕日も綺麗で。
もう何がなんだか分からない状態。
今まで雨ふってたのに、なんで降ってないの?という疑問には誰も答えられず、その後は無言で帰宅した。

その後たたられたりする事もなく今にいたっているけど、思い出すとあれはなんだったのかなと思う。
ちなみに弟一緒だったけど、やつもうっすら覚えてるらしい。しばらく家で二人して人形怖がってたの懐かしいw

ほんのりと怖い話46

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