隠れ家的な蕎麦屋

俺もこの前体験した不思議な話を一つ

つい先日の天気が安定しない週末のこと。

ドライブがてら友人に教えてもらった山間の集落にあるという隠れ家的な蕎麦屋に昼飯を食いに行くことにした。
ナビに従って車を走らせるとドンドンと山の中に入っていく。
いつのまにか雨足も強くなり、山の中ということもあって、昼だというのに辺りは仄暗くなっていた。

初めて走る細い林道と暗い車内に独りという心細さで、ライトをつけようとした瞬間林が切れ視界が開けた。
さっきまで降っていた雨はおろか、道路に雨染み一つない、抜けるような夏空の集落が広がっている。
山の天気は~なんか長い田舎生活で嫌と言うほど経験したが、さすがにこんなことは今までに一度もない。
一台だけ濡れ鼠になって蕎麦屋に着くと店のおばちゃんが車を見て一言。

「おにいさん、相当狐に好かれとるんだね」
帰り道は特に何もなかったけど、なんというか、こんなこともあるんだなぁとその日は一日不思議な気持ちだった。

あ、蕎麦は滅茶苦茶にうまかったよ。
特に山葵が最高だった。

山にまつわる怖い話63

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