先客

もう15,6年前かな、社員研修で東京へ出張。
ジュリアナ東京が近くにあったんで楽しみにして行った。

  ○月○日~○日、9:30~時間厳守 
  集合 研修センター1F 出席予定77名
  前泊希望者は事前に連絡、部屋は本社にて準備(シングル・ツイン選択不可)

田舎もんの俺は前泊で出席の為、午前中はみっちり仕事でした。
特急と新幹線乗り継いでJR田○駅着が22:45、ホテル入って23:00頃。
途中夜の街で社会勉強し遅くなったので。

「△△会社の○○ですが」
「お疲れ様です○○様、◇◇◇号室です、ごゆっくりどうぞ」
とキーを渡される。
ホテルなんぞ使う機会も無く、エレベーター乗って「都会だな~」なんて思いながら部屋へ入ると、先客がベッドで寝ている様子。
「相部屋か・・、まっいいか」
と、シャワー浴びて就寝したのが24:00頃。

翌朝、7:30に目覚めると隣はもぬけの殻・・・。飯でも行ったか、と思ったが荷物もなし。
「なんだよ一緒に行ってもいいじゃんかよ、ったく愛想もねーな」
なんて思いながら朝飯食って、ヘアセット・髭剃りするとポーチが洗面台に。
「忘れもんだよ、慌てて出ていったんかな」
なんて思いながら荷物もって研修センターへ。

研修センターに着いて、指導官とのやり取り。
『おはようございます、○○です。昨日の相部屋の方の忘れ物です』
『おはよう、○○君。昨日は・・・・え~と、君一人だよ』
『いや、先に誰かチェックインしていて、その方の荷物かと・・』
『えっ、前泊は39人で君の販社からは君一人だからツインのシングル使用のはずだけど・・・』
『でも昨晩、歯軋りとか聞こえましたし、確かに誰かと一緒だったんですけど・・・』
 
『じゃ、これは・・・?』

持ってきたと思ったポーチが無くなってた。。。
確かにバックに入れたんだ・・・。

ほんのりと怖い話61

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