たぬきに化かされた

祖母の親戚の話。

祖母の田舎は山の方なのだが、閉鎖的な田舎の例にもれず近所に親戚連中が寄り集まっている。
で親戚の家によその土地から嫁さんを貰ったのだが、ある日嫁さんの父親が銭湯に行くと言って出て行ったきり帰ってこなくなった。
嫁さんの実家は祖母の田舎から大分離れた土地だったが、新宅の嫁さんの父親がいなくなったということで、親戚一同を動員して父親を捜しまわったらしい。

すると一日捜しまわって嫁さんが親戚の家に帰ると玄関先に座り込んだ父親の姿が。
着物の懐にはいっぱい葉っぱが入っていてきょとんとしていたという。
山には結構たぬきに化かされたとか狐に化かされたとかいう話があるから、すぐに親戚が近所の霊感があるという人を連れてきてお祓いしてもらったそうだ。
案の定、お祓いしてくれた人が言うにはたぬきに化かされたのだそう。

祖母の田舎にはお狐さんがついてくるとかタヌキが石投げてくるとかいう寺やら神社やらが結構あるからどこかで目を付けられたのか。
嫁さんの実家から祖母の田舎の山までかなりな距離があるから人の足でくるのは大変なはずだけども、当人に記憶はないし、道中の父親の姿を見かけた人もいなかったらしい。

あとなんか祖母の田舎の近所の人で、普段は普通なのにある日「うまいうまいまんじゅうじゃ」と牛の糞をむしゃむしゃ食べてたことがあったとか。なんかたまにそういうことあるらしい。

ほんのりと怖い話76

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