おつかいへび

母方の祖母と母に聞いた話をいくつか、なんとなく思い出したので。
ちなみに私は四国出身です。
特に落ちはないし怖くない話ばかりですがすみませんw

昔から古くて大きい家にはおつかいへびと呼ばれる屋敷蛇?が住み着いてたりするそう。
その蛇は家に幸福をもたらす神様のような存在で、人に危害を加えることもなくこっそりと隠れて屋敷に潜んでいて、追い出すと家は没落するという。

祖母は10人兄弟の長女で、里は山の中のそこそこの旧家だったらしい。
下の妹は実家にほど近い所へ嫁に行ったのだが、その隣の家が古くからの地主か何かの金持ちだった。
大きな石垣で屋敷をぐるり囲んでいて、石垣一つ一つにあやめ?か何かの絵を刻んであるような家も凝った作りの由緒正しい所。
そこにはおつかいへびがいると近所でも有名だった。

でもその家の娘と女中がお使い蛇様を棒でたたいたり蹴ったりして追い出した。
すると娘と女中は蛇を叩いた腕と蹴った足をちんばを引く(方言?意味は手足が動かなくなった?手足をひきずる?)ようになったらしい。

祖母は結婚で町のほうに降りたが、嫁ぎ先も地元ではそこそこ名の知られた古くて大きい家。
祖母の嫁ぎ先の隣の家も昔からある大きな家だったらしいが、ある日そこから蛇が隣の家と祖母の家を行ったり来たりしているのを母が見たらしい。
そのことは祖母の家の近所の人も見たと言っていた。

母が言うには大蛇みたいな大きい蛇ではなかったが、子供ではなかった。
黒っぽくもなく色素の薄い感じだが白蛇ともたぶん違ったそう。でも普通の蛇とは違う感じがしたらしい。
隣家は学校などに楽器をおろしたりして手広く楽器販売事業をやっていたのだが、その後大きかった楽器店も潰れお屋敷も今は売りに出ている。
祖母の家は昔は土間で、床が土なので外から蛇も入って来れて、母が小さい頃には春になるとよく蛇の子供が2,3匹玄関から入ってきていたという。

トイレも昔は一回外に出て周り廊下を通って行くようになっていたらしいが、大きい蛇が廊下の途中に落ちてきて2,3日じっとしたままでそのうちいなくなってたりとか。
祖母の家には門と納屋(米蔵?)と馬小屋が一体になったような、建物のような巨大な門のようななんとも形容し難いのだが、まあそんな門とそれとは別に蔵も二つあったが、家の建て直しの際に蔵は取り壊し、今は門だけ建物ごと移動させてある。

で、門移動の時に瓦を吹きなおしたらしいが、その時に職人が瓦をはぐとそこに大人の太ももほどの太さの大きな蛇がいて血相変えて言ってきたという。
母には兄がいて、今も祖母と暮らしているが、私の小さいころにはよくその門の納屋で子供の蛇が出たと言っていた。
一回だけ納屋に大きな蛇が出て大騒ぎになったのも覚えている。
でも今は蛇がでたという話は聞かないし、私もちょくちょく祖母の家へ行くが見たこともない。

どっかにいってしまったのかなあ…。

ほんのりと怖い話76

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コメント

  1. 匿名 より:

    母の実家の蔵にも主の蛇がいたけど
    こういうのって田舎だとたいていアオダイショウだよねとくに農家だと
    アルビノだと間違いなく喜ばれるし
    まあ、シマヘビとかヤマカガシとかなかなか家の中までは来ないからね