配達のお爺ちゃん

ホラかネタ話をよくする知り合いのお爺ちゃんが居て、「〇〇研究所の近くで宇宙人見たよ!」と言って、良く遊んでた。

ある日、そのお爺ちゃんがいつも通りにホラ話をしてくれた。
「疲れたままや、考え事をしながら配ると危ないぞ」てな。
俺は事故の事だと思って「そうですね」と答えた。

で、いつもの調子で話してたら、
「昨日、いくら配っても終わらねえの…同じとこを何回も配ってる感覚で、でも、気付いたら全部配っててー…時間もいつもより早くてさー」
「不着ないなら良かったじゃないですか」と言ったら、
「うーん、まあそうだけど…」と言って、その話は終わった。

その1週間後くらいにお爺ちゃんは配達を辞めた。
20年近くやってたのに、いきなり飛んだ。
理由を専業(※正社員)に聞いても「分からない」の一点張り。
配達やってる人なら分かるが、人の出入りが激しいので、辞めたと聞いても驚くことはないと思うが、俺はそのお爺ちゃんしか話し相手が居ないので寂しがった。

不審に思ったのは、そのお爺ちゃんの区域だけ何年経っても誰も定着しなかったことだ。
専業も配りたがらなくて、理由も教えてくれない。
確かに部数は結構多いが、俺の区域ほどじゃないし、販売店から近い。臨配(臨時配達員)を雇ってたくらい(それも3か月とか)。
とはいえ、自分の区域じゃないので、そのまま配達を続けてた。

何年かたって、自分も辞めるという時に古株の専業が教えてくれた。
「あの〇〇あるだろ?あそこ配達すると何故か中々終わらないんだよ」と言ってきた。
「ああ、〇〇さんも同じ事言ってましたよ?」と言うと、表情が変わり、それ以上はこの事を教えてくれなかった。

そのお爺ちゃんが今どうしてるのか全く分からず。
専業とも疎遠になって情報交換はなくなりました。
よってオチ的なモノはなくてすいません。
どうしてこうなったか、分かる方や似たような体験をされた方は出来ればご解説お願いいたします。
ただの勘違いなら良いんだけど。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 106

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