天井の顔

ほんのり怖かったのは僕らでは無く先生という幼稚園の時の体育の時間での話。
雨が降ってたんで本来外でやるはずだったのを予定を変えてお遊戯室を使っていた。
先生が「休憩時間です。トイレに行っておきましょう」的な事を言ったんだ。
先生の言葉に促されて皆トイレに行ったんだけど、皆で行ったもんだから当然便器の数が足りない訳さ。

順番が来るのを待ってる中、何となくトイレの天井を見たんだ。
そしたらトイレの天井一杯に広がる大きさのドクロがじっとこっちを見てたんだ。
(え?骸骨?)と妙に冷静に僕はそれを眺めてたわけだ。
そうすると一緒にトイレ待ちしてた中の誰かが『あっ!天井に大きなオジサンの顔がある!!』って言い始めた。

(え?オジサン?骸骨じゃなくて?)と思っていると皆が上を見た。
するとここで不思議な事に天井に居るのが≪オジサン≫が居る派と≪ドクロ≫が居る派の二つに別れたんだ。そりゃもう大騒ぎ。
皆急いで先生の所に戻ったんだ。

先生は怖かったはずだよ。十数人の子供たちが「先生聞いて!天井一杯にオジサンの顔があった」だの「先生違うよ。骸骨だよ」と自身には見えない何かについて言い合いしてるんだから。
という僕の体験談。

ほんのりと怖い話89

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