未遂になった

んじゃ俺のほんのり怖いというか不思議な話

数年前の夏、夜中にふらりとコンビニに行った。よくあることだ。
当時の家とコンビニの途中は公園を通ると近道なんで、そこを通った。
夜中にいちゃつくカップルもホームレスすらいない静かで地味な公園なんだが、見つけてしまった。
遊具の脇の木にぶら下がる首吊り。

パニクって交番までダッシュ。お巡りさんを連れて再び公園へ。
しかし公園には俺が確かに見たはずの首吊り死体は無くなっていた。
いたのは俺が見たのと同じ場所で、木にロープ引っ掛けて、柵を足がかりにして、ロープの輪っか掴んで、まさに今から吊ります!というポーズの女。

あれ?さっき確かに首つってたよな?間違いなくぷらーんとしてたよな?
困惑する俺を置いてきぼりにお巡りさんは慌てて女を保護して交番へ連れて行った。
結局女は未遂で、俺は女の首吊り準備中を見間違えたんだろうということに。

でも俺は絶対に首吊り状態の女を見た。
確かに首をロープでぶら下げて、両手両足ぷらーんとしてゆらゆらしてた。
俺はどこかで時空を超えて女を救ってしまったんだろうか。
その後、その時の首吊り未遂女に命の恩人!運命の相手!とストーカーされた話はほんのりどころじゃないので割愛。

ほんのりと怖い話89

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