妊婦の幽霊

学生時代の話だけど、うちの地域は第二次世界大戦でかなりの被害者を出した地域で、そのせいか小学校~中学では、戦争について色々勉強させられた。
その一環で中学の時に防空壕見学にいかされるんだけど、俺達がいった時、その防空壕の近くの茂みのところに妊婦の幽霊がいた、と話題になった。

実は俺も気づいてたんだけど幽霊とは思わず、2才くらいの子供の手を引いた妊婦がいたので、近所の人かな、と思ってた程度。
面白いのは、見た人は結構な割合(クラスの半分くらい)なんだけどそれぞれ見えたものが違うってこと。

俺の様に「子連れの妊婦」に見えた人もいれば「子供はいなくて妊婦だけだった」って人もいる。
ただ、子連れに見えたって奴の共通点はみんな「2~3才くらい」ということ。

もう一つ面白いのは、何故か女の目撃談では「妊婦のずぼん(モンペみたいなやつ)が赤かった」
もしくは「妊婦の下半身が血まみれだった」というもの。
男のほうは血をみた、とかずぼんが赤かったという目撃談は無い。

複数の似たような人がいたのか、それとも同じものを見ても違う受け止め方をしたのかはよくわからない。

ほんのりと怖い話94

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