大学の時から、なんか変な女の霊に取りつかれてた。
その霊との最初の出会いは深夜のバイトの帰り道、いつもと違う路地を歩いていたら行き止まりにぶつかって、元の大通りに戻ろうとしたらそいつがいた。
気持ち悪いなあと思いつつもすれ違ったら、そいつはそのまま行き止まりの壁に消えていった。
それからどこへ引っ越してもそいつを見かけるようになった。
別に何もしてこない。
ただ、時々姿を見せるだけ。
最初の出会いから8年たった去年、俺は旅行がてら、カナダにいる友達を訪ねていた。
カジノを冷やかした後、ナイアガラの滝を背景に写真を撮ろうとしてたら、日本人のおじさんが「とってあげようか」って話かけてきた。
デジカメ渡そうとしたら、おじさんは俺の肩に手を伸ばした後、何かを滝に向かって投げた。
おじさんは呆気に取られている俺達を尻目にどっかに歩いていった。
その日から女の霊は現れなくなった。
ほんのりと怖い話100