火の玉

じいちゃんから聞いた話。

じいちゃんが小学生の時、学校からの帰り道の途中で火の玉を見つけた。
イタズラ心に火が付いたじいちゃんは、火の玉に向かって小石を投げたり、木の枝で突いたりしたそうな。

ゆらゆらとじいちゃんから遠ざかる火の玉を追いかけ、執拗に小石を投げたり、木の枝で叩いたりする。
追いかけっこがしばらく続き、火の玉は畑の端にあった肥溜めまできたところで急に止まり、スルスルと肥溜めの中に消えていった。

ボカーン!
肥溜めが爆発して、じいちゃんは糞まみれになった。
じいちゃんはそれ以来、火の玉が大嫌いになった。

ほんのりと怖い話113

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