バーベキュー

3年前の夏に、バーベキューしようっていって猿島に行くことにしたんだわ。
初猿島で、その頃付き合ったばかりの彼女も連れて行くことに決めてたんだ。
大学4年だから余裕もあって、平日の空いてる日に決めた。

でも当日はちょうど雨。
仕方ないからバーベキューは延期して、仲間と合流して飲み屋で騒ごうってなったんだ。
でも、駅についたら途端に腹痛に襲われてキャンセル。
多分朝食べた何かが当たったぽかった。

しかたないので、トイレもあることだしパチ屋にでも行こうかと思って自転車に乗り出した途端にパンク。
どうにも良くないなあと思って、トボトボ歩きでアパートに辿り着いて二階に上がったら凄い黒い煙。
隣の部屋だった。

間違いなく火事だとは思ったんで、消防車呼ぼうと携帯を取り出してみると電池切れ。
しかたなく自分の部屋に戻ろうと火事の部屋を通り過ぎるときにガターンって音がして、もしかして人が?と思って「誰かいますか?」って呼びかけると、中から微かに荒い息のような呻きのような声が。

ヒョロガリの俺だけど火事場の糞力でドアを破ってみると、煙にまかれて動けなくなってる男が倒れてる。
すぐに引きずって助け出してすぐに119したよ。
なんでも風邪で仕事休んで寝てたら、ストーブに何かが引火したらしい。
救急隊員からは良くやったと褒められつつ、危ないから単独ではするなと釘を刺されたよ。

平日だったから学生の俺以外は普段誰もいない単身アパートだったし、俺のその日の行動一つ抜けても隣の兄ちゃんを助けられなかっただろうな。
ヘタしたら普段昼間起きの学生だった俺は巻き込まれて死んでたかもと思うと、すげえ偶然の上で二人は生き残ったんだなと思った。

アパートは半焼で、俺の部屋も屋根は落ちるわ家財道具は尽く水浸しになるわで退去せざる得なくて。
まあ火災保険からそれなりの一時金は降りたからどうにかなったけど。
その後すぐに隣の兄ちゃんとは音信不通になったけど、今も元気だと良いな。

読み返してみるとストーブに引火はわかりづらいね
正しくは出しっぱなしのストーブのケーブルの断線に何かが引火ね
さすがに真夏にストーブは炊かない

ほんのりと怖い話113

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コメント

  1. 匿名 より:

    盛りすぎ