花見

2年くらい前の話。
ちょっとマイナーな場所で、友人家族と一緒に花見に出かけた時の事。

夕方頃、花見も終わり後片付けし、駐車場に戻って解散→各自車で帰る(当然飲んでません。子供も居るし・・・)って時、携帯を忘れて着た事に気付いた。

取りに戻ろうとした時、うちのチビがよっぽど楽しかったのか「一緒についていく」とダダをこね始めた。
花見した場所まではマイナーなだけあって利便性が悪く、駐車場から大体20分くらいかかる山道。

正直連れて行きたくなかったが、友人達は先に帰ってるし、嫁さんは片付けとチビどもの相手で疲れてたので、待ってる間我侭全開のチビの相手させるのは流石に気が引け、仕方なく連れて行く事に。

花見した所に戻って忘れた携帯を拾う頃には、案の定チビも飽きたのかダッコダッコとねだり始めた。
だから連れて行きたく無かったんだが・・・。
仕方なくおぶって戻るのだが、親の苦労も知らず眠り始めた。
まぁ駐車場までのガマン・・・と思ってたんだが、一向に駐車場が見えてこない。どうやら道を間違えたらしかった。

と、その時なんか嫌な雰囲気を感じた。
俺は一応霊とか見える時があるのだが、見えたり見えなかったり・・・と霊感としちゃ結構安定してない訳だが、
この時ははっきり、なんかヤバイと感じた。

で、見ると道の先になんか居る。
なんて言うか辻斬り浪人のような奴が、刀を持って殺気を込めた目つきでこちらに向かってやって来る。
どう見ても人間じゃない。逃げたかったが何故か体も動かない。
今までこんなにハッキリした霊は見た事無く、しかもこちらに害をなそうとする奴は初めてでパニックになり、マジでこの時死ぬかと思った。
が、その時突然うちのチビが「大根役者だ~~~~っ!!」と叫びだした。

正直この時何がどうしたのか良く分からんかったが、それは向こうも同じなのか浪人も「え?」って感じで足を止めてた。
それからチビは浪人に向かってオデンがどうの、私は卵が好きだの言い出して、浪人も何か混乱してる様子。
終いにチビは「アーンパーンチ!」と何故かアンパンマンのモノマネ。
浪人はなんか困ってたようだが遅れて「やられた~」って感じでアクションしてた。当然チビの奴大喜び。

気付いたら足も動かせるようになってたので、「あ、すみません、そろそろ帰っていいですか?」って聞いてみると、「あっちいけ」って感じで手を振ってた。
チビの方は「大根役者さんバイバーイ」と最後まで役者扱いしてた。

最近チビに当時の事を聞いてみたが「知らん!」だそうな。
霊とか見えるのかも聞いてみたが、「幼稚園で習った!」とか言って数字の0を書いたりしてた。

ほんのりと怖い話114

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