視界を埋めるほどの大岩

山と言えば、20年くらい前に祖父にこんな話をされた事があるな。

近所の山に○○(ここ、どうしても思い出せない)をしに行った時の話。

はるか上の方から「ずどどぉ~ん!」と轟音が聞こえた。何事かと上を見たら、山頂から、とてつもなく巨大な岩が転げ落ちて来るのが見えた。
ずっと上にあるのに視界を埋めるほどの大岩で、妙にゆっくりと、まっすぐ自分に向かって落ちて来る。

「あんな大きなモンが落ちて来るんなら、どう足掻いても助からんな」

と、何故か落ち着いた気持ちで見上げていると、大岩は転がりながら見る見る間に縮んで行き、最後にはビー玉くらいの丸石になって脚にコツンと当たって止まった。
こりゃあ狸か狐か、と思い、弁当に持ってきたオニギリを一つ置いて急いで家に帰った。

「でな、そのときの石がこれだ」

と神棚から石を取り出した祖父に吃驚したのをはっきりと覚えてる。

山にまつわる怖い話9

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