ヒドメ

同僚の話。

消防団で大規模な山火事の鎮火活動をしている時のこと。

ホースを手繰っていると、燃え尽きて灰に覆われた斜面に何か見えた。
小さな水色の花が一輪、真っ直ぐに立っていた。

それを見た年配の団員がぽつりと言った。
ヒドメが出たな、この火事は大事にはならないよ。
山火事はその日の夕方までには無事に治まったということだ。

山にまつわる怖い話3

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