私の家の裏がすぐ山です。
トイレの窓からのぞくと、そこにある古い神社が見えました。
ある日、夜中に用をたしたあと窓が開いていたので何気なく外を見ました。
すると神社に灯りが点り、しばらくすると、でんでん太鼓(団扇のような薄い太鼓)を叩く音が聞こえてきました。
古い小さな神社なので、どう考えても、こんな時間に人がいて何か行事をすることなど考えられません。
怖かったのですが気になったので後日、昼間に友人を誘ってその神社に行きました。
すると神社の境内の前で一匹の猫が私たちに背を向けて座っていました。
まるで、拝むように…
しばらく気付かれないように様子を窺っていたのですが、いきなり二本足で立ち上がったのです。
そのまま一分間位、立ち続け再び座り込むと、私達の方を振り向き「ニャ~」と声をあげたのです。
前のこともあったんで、二人で直ぐに引き返しました。
猫を飼っている人に訊いたところ、二本足で立ち上がることはあるそうなんですが…
それ以来、神社へは行ってません。
もちろん、便所の窓も締め切ったままです。
山にまつわる怖い話12