AB兄弟2

昨日から話を投下している中華味噌中毒男です。
話を一つまとめられたので投下します。
誤字脱字読みにくい点、意味不明な点あったら補足するのでどんどん言ってください。

昨晩神社にごめんなさいのお酒を置いてAは安心したのか、夏にAの弟Bと俺を連れて例の神社に遊びに行ったんだ。
俺は最初その神社は気味悪いから神社の手前の道路で用水路に石を投げいれて遊んでた。

Aと弟Bはどっかからゴザ(藁みたいなのでできた分厚い布みたいなやつ)を持ってきて、神社の周りにある林でカラス瓜って呼ばれてる、拳より小さい食べられない実をちぎってゴザに集めてた。

林の木には蔓が巻きついていてその蔓からカラス瓜は生えてた。
食えないし何も価値はないんだけど道路から見てた俺は、実をちぎる2人が羨ましくてしょうがなかった。
小学生だったっていうのもあるけど生ってる実を見つけてちぎるっていうのがすげぇ羨ましかったんだ。

AB兄弟は木の下から瓜を探してたけど俺は離れた道路から見てる分、兄弟よりもまだ色んなところに実の取り残しがあるのが見えた。
そのうちいてもたってもいられなくてついに神社に入って一緒にからす瓜を取るようになった。

俺達3人は実をちぎった。
一心不乱にちぎりにちぎりまくった。

自分たちの手の届かない瓜を親の仇のように見上げて取れないならと、神社の掃除用の竹箒を持ってきて柄の部分を振り回して叩き落としたりした。
あまりにも高いところにある実に石を投げたりもした。
とにかく生っているもの全て根絶やしにしないと気が済まない状態だった。

実をあらかた取りつくした俺らは神社の湧水を飲みながらこれからどうするか考えた。
すると弟Bが「下の道路に行ってカラス瓜をコンクリートに叩きつけて遊ぼう」と言った。
妙案だと思った。

正直この食べられない実を集めてどうするかなんて考えてなかったし、冷静になって考えてみると、どうすんだこれ?てなってた。
そして俺たちは暇だった。遊びに餓えたトイザラスキッズだった。

神社の前にある道路はたまに車が通るから降ってほとんど車の通らない道で遊ぶことにした。

ただゴザにのった実をどうやって運ぶかが問題だった。
神社は山の腹の部分にあって階段でいうと3~40段分くらい降らないと下の道に行けない。
神社の前の道をぐるっと回ってからなら下に降りる大きな道路に合流するんだけどそこまで行くのも面倒くさかった。
だから俺達は神社の前の土手をそのまま降ることにした。

その時Aが

「俺はこのゴザにカラス瓜のせて土手を滑りながら降りるわ」

そういうとゴザに座り端をつかんで巾着みたいにした。

俺と弟Bはメロス並にぶち切れた。

『面白そうすぎる!そんなことお前ひとりやるのはずるい!』

みんなもやったことあるかもしれないけど土手を段ボールとかで滑り降りるあれをAはやるつもりだったんだ。

俺も弟Bもそのくらいの遊びは今までやってきたことあるから、それがどれだけ楽しいのか知っていた。
弟Bなんてもうカラス瓜なんてどうでもいいから全部用水路に流して、Aと二人乗りして滑りたいって羨ましすぎて泣きそうになりながら言った。

というか泣いていた。(Aと俺は小6、弟Bは小2か3だった。弟Bは自分の思い通りにならないことがあるとすぐに癇癪を起こして泣く癖があった)

AもAで兄ちゃんのくせに「お前が瓜を乗せたままこのゴザを制御するのは難しい」とかそんなようなことを言って譲らなかった。

弟Bはもう泣きわめいて地団駄を踏んだり、近くの木に頭をゴンゴンぶつけたりして『ホラッ!兄ちゃん俺はこんなにもそれがやりたいんだ。ここまでやってるんだから代わってくれ』アピールしてた。

俺もいつもなら代わってあげなよっていうんだけど、その時はいきなりAにタックルしてそのままゴザを奪って滑り降りちまえば降ったもの勝ちだ、という葛藤に苛まれていて弟Bどころじゃなかった。
それくらいやりたかった。

弟Bが道端の草を食っては吐き食っては吐きしだした頃、俺は神社に竹箒と塵取りが入った段ボールがあったのを思い出した。
俺は泣き喚いてついにカラス瓜を齧りだした(めっちゃ苦い)弟Bを段ボールがあるからと落ち着かせて口をゆすがせると神社に取りに行った。

一応ちゃんと後で返しますってお参りしてから段ボールを持ってきた。
そして俺と弟Bは段ボールを2つにちぎってAの右側に並んだ。
下を見下ろすと結構高い。
俺らが下ってすぐコンクリートの道路が土手に沿ってありその先はガードレールと川が流れていた。

俺達は一斉に滑り出した。
急斜面だったし結構なスピードが出たのを覚えてる。
俺と弟Bは真っ直ぐ下ったんだけどAだけ明らかにおかしい方向に滑って行った。

左斜めに軌道が逸れていって横目で見ても、あぁ、やばいなって思った。
なぜなら俺たちの正面の道路は2車線くらいの幅があるけど左に行くにつれて狭くなって、最終的に車一台分くらいしか通れなくなるからだ。(車の通りが少ないのはそのせい)

Aもやばいと思ったのか「ウギャアアアアアアアアア」て叫んでた。
俺らみたいなダンボールだったら足でブレーキかけられるんだけど、Aの場合瓜が落ちないようにゴザを巾着状に持ってそのまま滑ったから足も出なかった。
色んなことが重なってやばい状況になってた。

今思うとゴザには縫い目があるし目に沿って滑ればまっすぐ滑るだろうけど、多分Aは変な風にゴザの端をもって目が斜めになるように滑っちゃったんだと思う。
じゃなければ何か悪い物にでも引っ張られない限りあんな風に斜めに滑らないと思う。
というかそう思いたい。

滑りだしてから降りるまで実際は一瞬だったけどAのせいで俺には結構長く感じた。
Aはそのまま道幅の狭い左に流されて…今でも笑っちゃうんだけど、降ってそのままポーンって飛んでガードレールに顔から衝突した。
ゴザを握ってるからかしらないけど顔から行ってた。マンガみたいだった。

幸い川にまで落ちることはなかったんだけどぶつかった拍子に道路と川に瓜が落ちた。
Aは鼻を折って顔面血だらけになってた。

俺と弟BはAに駆け寄ったんだけど、弟Bが腹抱えて笑ってたせいで俺も堪らえきれなくて少し笑ってた。

瓜を道路に投げつけて遊ぼうとしてた俺らが、なぜかAだけ自分が道路に投げ出されて鼻が潰れた。
後から聞いた話だがAがのってたゴザは境内の裏にあった日除けか何かの物を勝手に持ち出していたらしい。
そのあとAをつれて帰りAはすぐ病院に連れて行かれた。

話自体はこれでおしまい。
別に怪奇現象的なこともなかったし良くある子供の悪ふざけで起きた事件なんだけど、一つだけ不思議なことがあった。

Aがガードレールに衝突して瓜が散らばったんだけど、散らばった瓜の中に熟してるものがあったんだ。
結論から言うと俺もAも弟Bも熟した瓜は取った覚えはない。
というか夏に熟した実は多分ないと思う。

からす瓜は熟すと赤くなって腐ったトマトみたいになるから、俺らも触りたくないしその時も俺はなんでこれ熟してるの?て思ったから今でもはっきり覚えてる。

不思議なことがあったとすればそれだけ。
熟してぐじゅぐじゅで真っ赤になった瓜が混ざってた。

神社関係でAにあった出来事は次でラストです。
最後のは今までに比べると一番心霊体験っぽいしAもかなりやばいことになります。
学校であった事なのでBは出てきません。

今回のはなんだかつまらなくて申し訳ない。
文章力もないので読みにくいかもしれないけどお付き合い頂ければと思います。

Aの負傷箇所:下の前歯、鼻骨折

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