友人の話。
大学生の時、大学近くの城跡に肝試しに行くことになった。
その城跡は山頂の森中にあり、真っ暗闇の中、苦労してたどり着いた。
ひとしきりうろついて帰ろうとした時のことだ。
おいっ お前らっ!
いきなり野太い声が、誰もいないはずの闇中から掛けられたという。
同時に金属のようなものがぶつかる、かちゃかちゃという音も聞こえたらしい。
その途端、この城が古戦場跡地で、多くの武者が死んでいることを思い出した。
転がるようにして闇の中を駆け下りた。
かちゃかちゃという音は、麓付近までついて来たそうだ。
友人たちは皆、二、三日熱を出して寝込んだ。
詳しい人からは、武者関係の祟りは熱病が多いから気をつけろと言われたという。
山にまつわる怖い話4