知り合いの話。
仲間と泊まり込みで渓流釣りに出かけた時のこと。
夜、車の中で毛布に包まって休んでいると、物音がして目が覚めた。
車の周りを何かが歩いているようだった。
動物だろうと思い、また眠りに落ちようとしたその時。
運転席側のドアが、ガチャガチャと音を立てた。
慌ててライトをつけて外を覗いたが、何も見えない。
それきり何の音も聞こえなくなり朝になった。
後ろの車で休んでいた仲間に聞くと、何か毛むくじゃらの大きな人みたいなものが彼の車の横にいたのが見えたという。
呆れたことに、彼らはいまだにその渓流に釣りに行っている。
ただし、日没以降は決して近寄らないそうだ。
山にまつわる怖い話4