ヤマビコ

友人の話。

ハイキングコースを一人で歩いていた時のことだ。
その山は手頃な高さで、気分の良くなっていた彼女は何度もヤッホーと声を上げた。
何度目かのヤマビコが返って来た時、いきなり耳元で囁かれた。

 お願いだからもう少し静かにしてくれんかね。

びっくりした彼女はあたりを見回したが、誰一人として近くにはいない。
間違いなく老人の声だったという。
急に心細くなり、下山にかかったそうだ。

山にまつわる怖い話6

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