子供の頃いた実家に変わった風習?があってな。
家庭毎に微妙に異なるのもあるけど、共通するのは「人」って書かれた紙を年の数だけ破るってもの。
「人」の数も年の数だけ書く。
そして破る時は手で、「人」の字が破れないようにするんだ。
TVのCMとか、暇な時にチラシとかメモ帳に書いてやるように習慣付いてたんだけど、毎年10月の2週目頃に本番みたいなのをやるんだ。
やるのはいつも夜で、習字で使うような和紙を使ってた。
最初は子供からやって、最後は爺婆がやる。
終わった後は特に何かある訳じゃなくて、田んぼの様子をみる位の感覚で、爺婆が
「そろそろやる季節だな」
といって始まる。
近所も似たような事やるんだが、本番は必ず「人」の字の回りを囲うように格子状の直線を引いてた。
○×ゲームみたいに。
手でやるから失敗して「人」の字を破っちゃうこともあった。
でも特に何か起こったことはなかった。
寮制の高校決まって実家を離れるときに両親と爺婆にこの風習について聞いたんだけど、爺婆の子供の頃からやってたらしく理由は分からないんだと教えられた。
ただ後々婆ちゃんに、
「実家に来たときはやってくれな。囲いが無くなるとお犬も可哀想だ。」
って言われた。
なんの事か聞き返してもよく分からなかったけど、今思い返してみるとご近所さんも含め、みんな犬猫を飼ってたんだ。
結構普通の事だと思ってたんだけどな。
死んだ犬猫は庭に埋めるのが当たり前になってて、多く飼ってる家なんかはお墓みたいな立派な石まである。
うちはずっと犬ばっか飼ってたんだけど、何か関係あったんじゃないかな。いっぱい飼ってたしね。
それに犬って4、5年で死ぬ動物じゃないって分かったしね。
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