俺が専門学校で深夜のコンビニのバイトをしている時の話。
俺の働いていたコンビニは学生寮のビルのテナント的な店舗で、駅からも近いので昼間は結構人が来る。
しかし、深夜で終電も終わると客は寮生がほとんどだった。
そんなある日、深夜のラッシュも過ぎた午前二時位に俺は外のゴミ箱を捨てようと思って外に出ようとしたら一人の男が入店してきた。
ちなみに、その時は店舗には俺一人で男が入ってきたので、ゴミを捨てるのを辞め俺はレジに移動した。
その男は見た目普通の若い男だった。
すごく急いでいるようで慌ただしくカゴに商品を詰め込んで大体一分ほどでレジに来た。
俺が商品を処理している間も男はそわそわしている。
深夜とは言えコンビニには急いでいる客も来る、なので俺は別に不信にも思わず普通に商品を客に渡した。
商品を受け取ると男は直ぐに走って外に飛び出していった。
その後、受け取ったお金をレジの中に入れもう一度粗ゴミをすてるため外に出ようとしたら、また同じ男が入店してきた。
また、ごみ捨てを邪魔され俺は心の中で舌打ちしつつも、さっきと同じようにレジに移動し男がレジに来るのを待った。
そして、男は前回と同じように急いでいる様子で商品を受け取ると直ぐに外へと走っていった。
その時は焦っていたせいで男が買い忘れをしたんだなと思っていた。
しかし、一分ほど経つと男はまた来た。
それから男は買っては直ぐに帰りまた戻ってくるという事を十回近く続けてきた。
それだけでも奇妙なのに、男の買っていく物も奇妙だっった。
はじめは菓子やジュースが中心だったのだが、たまに軍手や筆記用具などこの時間になんで買うんだという物まで混じりはじめた。
俺はイタズラを疑った。
何故なら、男は前回買った物を何処かに置いてくるようで来店するたびに手ぶらになって帰ってくるのだ。
一気にまとめて返品するつもりなのかと考えたが、男はレシートを受け取らないので返品は不可だし、買った金額も一万円を超えイタズラの範疇を超えていた。
結局俺は結論を出せず、毎回慌ただしく来店してくる男に無心で接客した。
そして男との最後のレジが終わり、俺は五分ほど男を待った後にゴミを捨てるために外に出ようとした。
すると、俺が入口の近くまで来るとゴミ箱から白い服を着た男がにゅっと飛び出してきて俺を見ると、男が去ってきた方向へと走っていった。
俺は直ぐに外に飛び出すと、道には誰もいなかった。
多分白い服の男はゴミ箱の前でずっとしゃがんでいたのだ、俺が慌ただしい男と接客している間ずっと。
落ちはないがこれが俺が体験した不思議な体験だった。色々腑に落ちない事だらけで上手くまとめられたかわからない。
ちなみにそのコンビニは去年潰れた。
何でもいいから怖い話を集めてみない?4