小学生のときの話。
夏の夜、部屋で机に向かっていると、かさかさ、かさかさと小さな音がする。
机と壁との隙間に、丸めた模造紙の束が横たわっていたので風が吹き込んでそれが鳴っているのだろう、と思い引っ張り出してみたが、やっぱり音はやまない。
ふと模造紙の束の真ん中をつかんだら、中でもぞもぞと何かが動いた。
かなりびっくりして、隣室でゲームやってた兄貴を呼びにいった。
二人で模造紙を開いて確かめてみたら、まるまると太った一匹のもぐらが中から出てきた。
逃がしてやったら、あっという間に穴を掘っていなくなった。
机をどかして調べてみたが、床にも壁にも穴はどこにもなかった。
あのもぐらは何処から入ってきたのか?
また、これは後に知ったが、もぐらは4時間以上えさを食べなければ死んでしまうらしい。
ということは、本当に間際に入ったことになるのだが…。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 19