いつも出会う人

昇り降り往復2時間弱の気軽な山に毎週一回登りに出かけている父に聞いた話

その山はとにかく気軽に登れるので父のような常連が沢山居るらしい。
そして常連同士は顔も知ってるので、すれ違う時などに必ず顔を見て二、三言挨拶をするのだそうだ。

ある日父が登り始めたらいつも出会う人が降りて来た。
いつものように「おはようございます」「ああ、どうも」くらいの挨拶を交わして父は登って行った。

しかし、十分ほど登ったら先ほどすれ違ったはずの人が降りて来た。
いつのまにか追い越され、途中で降りて来たのだろうと思い、また軽く挨拶をした。
しかしまた少し登ったらその人が降りて来た。父は疑問に思いながらも同じように軽く挨拶をした。
そして足早に頂上を目指していたら、また頂上付近でその人が降りて来た。

さすがに父は不審に思い、思い切って呼び止め、今までの事を話した。
するとその人は青ざめて「またそんな事があっても、絶対に呼び止めちゃダメだ。絶対いつも通りにしておけ」と言う。
理由は話してくれなかったそうだけど、なんか怖い。
どういう事だったんだろう。

山にまつわる怖い話30

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