友人の話。
一人でふらり紅葉を見に行った帰り道。
既に日は沈み始めており、山深い峠道は闇が濃さを増していた。
ゆっくり車を走らせていると、突然の衝撃音。
どんっ!
車の屋根が音を立てて揺れる。頭の真上がひどく撓んだのがわかった。
慌てて路肩に緊急停車し、降りてルーフを確認する。
何も乗ってはおらず、何かが落ちてきた痕跡もない。
訝しく思いながらも再び運転を開始した。
少し進むと、また「どんっ!」ときた。
今度は車を停めなかった。
結局、その峠を下りきるまで十数回、怪しい音は車体を揺らし続けたという。
山にまつわる怖い話24