俺の実家が神社で、そこで神主やってる親父から聞いた話。 
伝文体まみれなのもなんなので、さも自分が見たかのように書くよ。
本殿の掃除を、結構な規模でやったときがあった。 
すると、本殿裏の縁の下の鉄柵が緩くなっていたらしく、誰かが入ったんだろう、その鉄柵の奥に黒い革の小さな鞄が置いてあった。
鞄はまだ普通に使える状態で、ゴミというよりは遺失物? 
持ち主の情報を調べるために鞄を開けた。 
すると、腐臭が。
鞄の中には口の縛られた白いビニール袋が入っていて、腐臭の元はどうもコレらしい。 
既にぐちゃぐちゃで原型を留めていないが、まあコンビニのおにぎりか何かが腐ったんだろう、という事にした。
その袋の近くには証明写真と思しき物があるにはあったが、過去に濡れたのか、腐ったものが漏れたのか、顔の判別ができる状態ではなかった。 
そして、それらを取り出すと黄味を帯びた白いつるんとした球体のようなものが現れた。 
大きさは握りこぶしより一回り大きいぐらい。 
取り出そうと掴んだ時に、モノの正体を悟ってゾッとした。
それは猫か犬の磨かれた頭蓋骨。
色艶からしてかなり年季の入った品であることは間違いない。
神社本殿の縁の下 
鞄の中身は以下3点 
 正体不明の腐敗物 
 動物のものではあるが磨かれた頭蓋骨 
 判別不能の証明写真
誰が何のために…?
不審すぎるので一応警察に届けたらしいが、その後どうなったのかは俺の知るところではない。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 38
