十数年前の話です。
大学のオーケストラの夏合宿での出来事。
この合宿で詰め込まないと本番まで間に合わない、という危機感を持って、みんな朝から晩まで楽譜とにらめっこしながら必死に練習してました。
ある晩、その日の最終練習がホールで行われました。
疲れと眠気でかなりぐったりの人が続出のため、ちょっと休憩。
するとA子さんがB子さんに向かって一言。
「あれ?B子さんのTシャツおしゃれだね。楽譜が印刷されてるの。」
B子さんはポカーン。「???・・・白い無地のTシャツだよ。」
A子さんは壁を見てまた一言。
「あれ、このホールの壁にも楽譜がびっしり印刷されてるよ。」
そんなはずはありません。壁は白無地だったのですから。
でも50人ほどいた参加者の半数ぐらいが次々に
「ほんとだー、壁が楽譜だらけ。みんなのシャツも楽譜だらけ。」
と言い出したのです。
楽譜が見えるよ、と言い張る人と、そんなの見えないよ、と言う人が半々ぐらいで言い合いを始めて、その場は軽いパニック状になってしましました。
僕は見えないほうだったので、見えた人の気持ちは分かりませんが、練習しすぎによって楽譜がまぶたに焼き付いてしまい、白い部分に楽譜の残像が残って見えたのかな。
もしくはテンションが高かったために起こった集団ヒステリーの一種だったのかなー、と今でも不思議に思います。
怖い話じゃないし、しかも長文駄文でごめんなさいです。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 40