小さいころ、うちの婆さんの家のタンスに入ると変な町に行けた。 
つるさってる服の奥にどんどん進んでくと、(奥に進めたことがまずおかしいわけだが)デパートの洋服売り場みたいな場所に出た。また商品の服の中に入ると婆さんのタンスに帰れた。
そこは普通っぽいデパートなんだけど、商品に値札がひとつもついてない。 
勝手に持っていってもいいことになってて、俺はいつも食品売り場で菓子を食ってた。 
やたら綺麗な色の、見たこともない菓子ばかりで、どれもすごく美味い。 
お土産として持ち帰ろうとしても、いつもいつのまにかポケットから消えてしまう。
そのデパートの外観は109っぽい感じだったと思う。 
(初めて109を見たときに「あのデパートに似てる」って感じた) 
隣には映画館があって、ここでも無料で映画を見られる。 
いつもアニメ映画をやってた。昔話調の話が多かった。
聞いたこともない面白い昔話ばっかりだったのに、内容はひとつも覚えてない。 
その町にはいろんな店があったんだけど、店員らしい人がひとりもいなかった。 
いるのは通行人か買い物客だけ。みんな、なんとなくフワフワした雰囲気。 
大人のひとほど上の空な感じだった。その町で仲良くなった子供もいた。
その町の地名は「なんとか県◎◎」 
県名は忘れた。日本語っぽい音だったが、現実に存在する47都道府県のどれとも違う。 
◎◎は確か「マ」から始まる4文字の言葉。マしか覚えてない。
婆さんの家が改築されてから、もうあそこには行けなくなった。 
同じところに行ったことあるやつ、いないか? 
あそこで仲良くなった子たち、みんな違う県から来たって言ってたんだ。 
入り口もタンスだけじゃなくて、いろいろあったらしいが。
678 :ID:mh8JXD+50
>>670 
ふしぎな話だね。他にもなんかある?
679 : ID:Tky/PfCjO
>>678 
他には特にない。 
悪いな。
687 : ID:dVaxCTn70
>>670 
うわーなんか似たような体験を思い出して鳥肌立った。 
私の場合は、家の納戸に入るとよそのまったく知らないウチに行けた。
かならず納戸から出た先はその家の台所。 
いつも外は晴れてて、真夏の2~4時くらいの気だるい日差しだった。 
台所と茶の間の間はレースの暖簾がかかってて、それをこう、サラッと手に滑らせるのが大好きだった。
茶の間には必ずお兄さんとお姉さんがいて、ちゃぶ台を囲んでお茶してた。 
私を見るとお菓子を出してくれて、お菓子はいつも見たことのない黄色い甘い板状のお菓子だった。
お菓子を食べて終わると、外から子供が走ってくるような足音がドタドタっと聞こえて 
あー次の子が来たんだーとなぜか納得して帰るんだけど、お兄さんが送ってくれると近所の公園の林みたいになった所、お姉さんが送ってくれるとこれまた近所の金持ちの家の外庭に出る。 
どっちの時も気がつくと居たって感じで、ハッとしてそのまま帰ったり公園でそのまま遊んで帰ったりしてた。
たいがい家に帰ると親に「あれ?いつ出かけたの??」って聞かれた。 
昼間の、天気の良い、たとえば土曜日学校から帰って暇してる時とかにしか行けなかったような気がする。もしくは行こうとしなかったか。 
今思い出すとかなり不思議だ・・・
699 :ID:w7hxzmqy0
>>670 
昔は洋服箪笥などには防虫用としてクスノキが原料の樟脳(ショウノウ)を入れていて、おれはその香りが好きでよく吸ってた。 
樟脳には強心興奮剤としての効果もあるらしく、小さな子供にはなんらかの精神的効果を与える可能性もあるかもと思った。
樟脳の匂い、覚えてない?
700 : ID:VLzpif2DO
>>699 
670だが、婆さんはタンスに防虫剤とかを入れない人だった。
殺虫剤も虫除けも、生き物である虫の体を害するものなんだから、人体にだって悪影響があるに違いないと言って、そういったものは使わなかった
不可解な体験、謎な話~enigma~ 46
