小学生の頃学校の怪談とかそういうのがすごく流行ってた。
トイレの花子さんとか、口裂け女とか、まあそんな感じの七不思議みたいなものがうちの学校にもあった。
他と比べてあんまり変わり映えするような話はなかったんだけど、一つだけ周りの学校にない話があった。
体育館に抜ける通路の入り口の扉を午後三時五十六分丁度に開くと、なぜかその向こうにあるはずがない階段があって、その階段を登っていけた人は苦手な科目の成績が上がる。
っていう噂。
ただし登らなかったり、登り損ねたりすると死ぬっていう話もあった。
私と友達のA、Bも試してみようかって言ってある土曜日の午後その扉に向かった。
職員室の奥に給湯室があって用具庫があって、その扉がある。普段は人気があるから、土曜日にした。
その通路は雨の日に体育館に抜けるときは使うんだけど、晴れていれば閉まってる。その日は晴れてた。
私達はAが家からこっそり持ってきた腕時計で時間を見ながら扉を開いた。
三年生の先生が首を吊っていた。
前後のことは今でもあまり覚えてない。
扉を開けた途端に臭った臭いだけは鮮明に覚えているけど、先生の姿は全く覚えてない。
私達は校長室のソファーに座らされて、親が迎えにくるまでずっと泣いていた。
しばらくよくわからない夢も見た。
以来あの通路では謎の階段の話ではなく、あの先生の幽霊が出るという話がよく噂された。
事件以降あの通路は完全に塞がれてしまい、私が卒業してから数年後にあの校舎自体も取り壊されたが、今でもあの通路があった所に作られた倉庫には幽霊が出るという噂があるのだ、と
先日地元に帰省した時同級生から聞いた。
なぜか怖くてたまらない。
今はあの学校に近寄りたくない。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?197