地響き

あまり怖くないけど、とにかく変な感じだったので記録代わりに書く。

3月末、近畿地方のある山の中に行った。
撮影とか調査とかしながら川を遡った。
邪魔にならないように、岩にもたれて立ってたら、ずんって地響きがした。

その後もずーん、ずーんってゆっくり揺れる。
地震ってほどでもないし、遠くの工事現場から発破の振動が伝わってきたって感じでもない。(それは、以前経験した。)
他の連中は、揺れを感じてる奴と感じてない奴がいた。

しばらくして、先行して下見してたカメラマン助手が帰ってきて、見たことない大きな鳥を見たって言った。山の上ぎりぎりを、さっと飛んでたらしい。
ワシとかとは全然違って、胴体の割りに羽が小さい感じがしたって言う。
まあ、サルかなんかを見間違えたんじゃないかってことになった。

その後、上から降りてくる釣り人に会った。禁漁区なんだけど。
普通、密漁者はこそこそして顔も見せないんだけど、そのおじさんはものすごくほっとした顔をして近づいてきた。

奥の沢で釣りをしてたら、向かい岸の大きな岩がぐらって横に揺れたって言う。
見間違えたかと思って釣りを続けていたら、川の水が一瞬すごく透明になって、底の岩とかが全部浮いて見えたんだそうだ。

その後も、見たことないような魚の影が見えたりしたから、頭がどうかなったのかと思って引き上げてきたという。
キツネに化かされてるかもしれんと言って、カメラマンからタバコもらってふかしながら降りていった。

後から気づいたんだが、カメラマン助手が見たっていう鳥と、釣り人が見たっていう魚の姿が似ていた。
「胴体が丸い」「すごくすばやい」「頭が大きい」っていう共通点があった。

なんだったのかよくわからんが、こんなこと初めてだったんで書いた。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 51

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする