右の人

この前の台風の時、仕事の都合で山道走ってた。夜中に。ど田舎を。
いつ土砂崩れが起きてもおかしくないような危険な道を急いで走ってた。

その時、ラジオを聴いていたんだけど、山道なので電波の入りが悪い。
ノイズ交じりのラジオを聴きながら、ちょうど下りに入った時に、急にラジオのノイズが無くなった。もちろん辺りに民家は無い。何も無い。

ラジオから・・・ガガ・・ザザ・・「右・・・右だよ」って聞こえた。
子供のような声で「右・・・右だからね・・・右だよ・・・ひゃ!」
絶対にラジオの番組じゃない。
周波数小刻みに変えても全部「右」
怖くなってるところに分かれ道、いったん止まって考える。

左はいつもの帰り道。右は遠くに明かりが見える。
家にかえるは左道。ラジオのお勧め右の道。こっちは早く帰りたい。
ラジオは「右右右右右右右右ひゃ右右ひゃ・・・ぎゃ」とか言ってる。
消しても切れない「右右右右ひゃ・・・左は・・ぎゃ」、しかたないので右に行く。

民家発見、道発見。遠回りして家に帰ろう。ラジオは元に戻ってる。
無事に帰宅して就寝。朝起きてテレビつけたら朝のニュース。
昨日の左は土砂崩れ。どうやら命は助かった。ありがとう右の人。
でも、その朝から右目の視力がガタ落ちだ。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?172

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コメント

  1. 匿名 より:

    何かを成すには対価必要ってことかなぁ。
    対価無しに助けてくれてる、かに見えるやつも、実は何か失ってるのかな?
    脳梗塞も小さいと部位に寄っては本人の生活に影響出ないような感じで、失っても影響出ないようなものを。